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天鳳位の成績データを統計的に分析してみた

本記事では天鳳位15名の方(2020年5月現在)の牌譜データを分析します。現環境の麻雀強者たちにどのような打ち筋・タイプがあるかを明らかにし、plotyを用いた3D表示を試みます。

1.使用データ

オンライン対戦麻雀 天鳳 / ランキングで牌譜データが公開されている15名の天鳳位の方(※)の成績データを使用します。
(※ASAPIN氏、(≧▽≦)氏、独歩氏、すずめクレイジー氏、太くないお氏、タケオしゃん氏、コーラ下さい氏、かにマジン氏、就活生@川村軍団氏、ウルトラ立直氏、トトリ先生19歳氏、おかもと氏、gousi氏、お知らせ氏、右折するひつじ氏。以下、敬称略。なお、トトリ先生19歳氏はASAPIN氏のサブアカウント、右折するひつじ氏はおかもと氏のサブアカウントのようです。打ち手が同じ場合に打ち筋の評価がどう変化するのかどうか注目です。)

なお、部屋は鳳凰卓のみ、ルールは東南戦(喰アリ赤アリ)を対象としています。

集計後の成績データについては次のリンクをご覧ください。今回は全データのうち、11変数(※)を抽出して分析します。
(※トップ率、ラス率、和了率、和了素点、和了平均巡目、和了時平均ドラ数、放銃率、放銃素点、リーチ率、1副露率、2副露率)
github.com
Tenhoui_ALL.csv

2.分析手法

以前の記事と同様に因子分析(プロマックス回転)を用いて分析します。分析手法の詳細は前記事をご覧ください。
r-std.hatenablog.com

3.分析結果

3.1.因子負荷量

f:id:r_std:20200530150050p:plain
因子分析の結果
第三因子までの累積寄与率は0.773となり、第三因子までで分析対象の11変数の概ねを表すことができます。
打ち筋の1つ目の軸は仕掛け派⇔手作り派であると言えます。第一因子の因子負荷量が示すとおり、副露を多用して安手を上がるタイプと、副露は多用せずドラを絡めて高い手を狙うタイプがあります。
打ち筋の2つ目の軸はリスク愛好派⇔リスク回避派です。第二因子の因子負荷量のとおり、放銃率・ラス率が高い積極的なタイプとこれらを低く抑える保守的なタイプがあります。
打ち筋の3つ目の軸はリーチ派⇔ダマ派です。リーチを多用し放銃素点も高いタイプ、リーチを使わず放銃素点が低いタイプがあります。

3.2.Plotlyを用いた3D plot

天鳳位の15名の成績データをもとに散布図を描いてみると、次のとおりになります。

 
明らかなクラスタリングを見ることはできませんが、打ち手によって個性があることが見てとれます。

例えば、お知らせ氏は第三因子得点が大きく、リーチを多用する打ち筋であると評価できます。実際のリーチ率は19.7%と天鳳位の中でも高い水準にあります。
また、すずめクレイジーは第二因子得点が小さく、リスク回避派な打ち筋であると評価できます。実際の放銃率は10.6%、ラス率も20.1%と天鳳位の中ではかなり低い水準のようです。
(≧▽≦)氏は第一因子得点が大きく、仕掛け派であることがわかります。実際の副露率は40.5%とかなり高めです。

初代天鳳位のASAPIN氏は局当たり収支が天鳳位中でトップである等の好成績を残していますが、打ち筋としては天鳳位の中では標準的なポジションに位置しているようです。また、サブアカウントトトリ先生19歳氏ASAPIN氏と比較すると、第一因子得点が大きいことが分かります。(オリジナルは実際の副露率が35.9%であるのに対し、サブアカウントでは39.6%とかなり高い水準になっています。)
一方で、おかもと氏と右折するひつじ氏のプロットは非常に近い位置になっており、サブアカウントでも打ち筋が大きく変化していないものと思われます。

4.まとめ

天鳳位の打ち筋の軸として、次の3つが考えられます。
 ①仕掛け派⇔手作り派
 ②リスク愛好派⇔リスク回避派
 ③リーチ派⇔ダマ派
天鳳位の方々の成績データには明らかなクラスタリングは見られないものの、因子分析を利用してプレーヤーの特徴・打ち筋をある程度表現することが可能なようです。

ソースコードなどはこちらにまとめています。
github.com

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